立ち読みコーナー
目次
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第一章 奴隷ナルシア&ヒルダ
第二章 牝畜生の噴水象
第三章 臨月の孕み犬
第四章 招かれざる訪問者
第五章 哀感に咽ぶ主従邂逅
第六章 M字開脚御披露目ステージ
第七章 粘液の滴りと蜜だまりの成長
第八章 レズ舐め地獄に狂う肉体
第九章 戦利奴隷の秘部丸出し行進
第十章 祖国冒涜の猥褻ショー
第十一章 公爵夫人への拝跪奉仕
第十二章 奴隷民族の哀しい宿命
第一章 奴隷ナルシア&ヒルダ

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 バヌー帝国軍の総司令官ファルケンの居城は首都ヌメハレの北部一帯を占めるファルケン伯領のほぼ中央にあり、周囲の平野から突出した小高い丘の上に十数階層にも及んで聳え立つ宏壮な建築物と、それに付属する建物群からなっていた。
 ヘリポートの設けられた屋上の四隅には高い円塔が立ち、それぞれの頂上で畳十枚分ほどもある大きな旗が風に翻っていた。
 ――バヌー帝国旗とファルケン伯旗である。
 帝国旗は黒地の中央に大きな赤い円が染め出され、その中にX字形に交叉する剣と鞭が描かれている。
 伯旗もほぼ同じデザインで、黒地に大きな円が染め出されているのは帝国旗と変わりなかった。しかし、中央の円は黄色で、中の図柄はファルケン伯の紋章である有翼ドラゴンが首輪を咥えているというのが、帝国旗と異なる点であった。
 それぞれ征服と支配を象徴する剣・鞭・首輪などが黒の地色と相俟って、まるで海賊旗を想わせるような不気味さを漂わせている。まさしく征服民族バヌーに相応(ふさわ)しい帝国旗・伯旗と言えよう。
 実際、他国との戦争ではそれらの旗が常に陣頭に押し立てられているので、バヌー軍に蹂躙・征服された民族が見れば、背筋の凍りつくような恐怖を感ぜずにはいられなかったのである。
 こうして豪壮な建築物の屋上には、威風あたりを払うかのように四流の巨大な旗が翻り、そこが残忍無比のサディストであるファルケン伯爵の居城であることを示しているのだった。
 城とそれに付属する建物にはファルケンと彼の眷属・親衛隊の将兵など数百人の者が居を構えていた。そして、彼らの下にはその数倍にも及ぶ奴隷が飼われていた。
 奴隷たちはみなバヌー人以外の民族で、帝国に征服された国々から連行されてきた者たちであった。それゆえ、彼らは残虐なバヌー人によって犬畜生にも劣る扱いを受け、肉体を使役労働や性奉仕に差し出さなければならなかった。
 特に女奴隷はバヌー人の快楽のために日夜さまざまな責めを受けたりヴァギナやアヌスを凌辱されたりして、苦痛と屈辱感をたっぷり味わわされた。
 だが、性奴隷である彼女たちも容貌や肉体の魅力によって扱いが異なり、上はファルケンの愛奴から下は兵士専用奴隷に至るまで等級が細かく分かれていた。
 奴隷の序列はバヌー帝国の発行する公式な奴隷等級証に準拠していて、AAA(トリプルA)とAA(ダブルA)ランクは城主ファルケンの愛奴、Aランクは彼の眷属や気に入りの部下に仕える奴隷、Bランクは親衛隊将官の奴隷、そしてCランクは城内で掃除、洗濯などのさまざまな家事・雑用に従事しながら、バヌー人の兵士や使用人たちに肉体を提供させられる最下級奴隷と位置づけられていた。
 もちろんバヌー人にも階級序列があるので、いくら支配民族であるといっても、下級兵士が将官の慰みものである上位奴隷に手を出すことはできなかった。しかし、反対に上位の者が下級奴隷を犯すことは当然の権利として存在していた。そのため、奴隷たちはランクが下がれば下がるほど不特定多数のバヌー人に犯され、娼婦的な色合いを強くしていくのであった。
 そのような観点からするならば、A以上のランクを与えられた奴隷は比較的好条件下に置かれていたと言えよう。その者たちはファルケンの愛奴にされたり、彼の親類縁者、親衛隊長など地位の高い者の専属奴隷にされたりしているので、特定の支配者にのみ性奉仕をすればよく、また、居室や食事なども下位ランクの奴隷より遙かに上等なものが与えられていたからである。
 しかし、専属奴隷にされるというのは一人の主人から徹底的に責め嬲られることを意味していた。城内では地位の高いバヌー人ほど暇があり、奴隷に対して彼ら特有の残虐な征服欲を存分にぶつけることができたからである。
 いずれにしろ、城内に飼われている奴隷たちはランクの高低にかかわらず、日夜残虐な仕置きや調教を受けて肉体を徹底的に痛めつけられたあげく、サディスティックなバヌー人のペニスによって口やヴァギナ、さらにはアヌスを穢されるのであった。
 さらに女だけでなく、男の奴隷も凌辱を免れることはできなかった。バヌー人は奴隷の価値を男女とも労働力よりも性的魅力に見出していた。それで、征服国や占領地からは若く顔立ちの整った美青年・美少年が戦利奴隷としてバヌー帝国に連行されてくるのであった。
 彼らは本来男性であるだけに、女奴隷よりもいっそう悲惨で屈辱的な目に遭わされた。いったんバヌー帝国の奴隷収容センターに送り込まれると、そこで一人残らず睾丸摘出の去勢手術を施され、顔つきや性格を女性的なものに変えられてしまう。そして、バヌー人の有力者に分け与えられ、彼らの小姓や召使いとして仕えながら、その主人の性的玩弄物としてアヌスを犯されたり、ペニスを口で慰めさせられたりするのである。
 現に、ファルケン城にも十五、六から二十歳前後の奴隷が百名近く飼われ、彼や一族、高級将校などの性的な慰み物となっている。
 このようにサディスト民族のバヌー人の支配下においては、男女の奴隷とも人間性のいっさいを奪われ、さまざまな責めや仕置き、調教によって服従心を躾られながら、マゾヒスティックな性奉仕に従事させられるのであった。
 そして、目下のところ城内で新参奴隷の悲哀を骨身に沁みて味わっているのは、滅亡したロメ王国から戦利品として連れてこられたアンジェラとロザリーの義姉妹であった。
「キレーネ!」
「はっ、元帥閣下!」
 ファルケンが声をかけると、キレーネは反射的に背筋を伸ばして勢いよく返事をした。
 ――城主ファルケンの執務室である。
 広々とした空間の床一面に淡いピンクの大理石が張られ、その中央には黒檀製の大きなデスクと黒革張りの肘掛け椅子が置かれていた。デスクの端には高さ一メートルほどのポールが二本並んで立ち、それぞれ屋上の円塔に掲げられているのと同じバヌー帝国旗とファルケン伯領旗が取りつけられていた。
 紫紺のガウンを着けたファルケンは椅子に腰を下ろして黒光りするデスクに向かい、うずたかく積み重ねられた決裁文書にいちいち目を通しながら印璽(いんじ)を押している最中であった。
 ファルケンの脇には侍従長のキレーネが扈従し、またデスクの前には文書を持ち込んだ官房長のガンツが直立していた。
「キレーネ、牝どものコンディションはどうだ」
「牝どもとおっしゃるのは、ロメのあの二匹のことでございますわね」
 裾丈が踝まであるロングスカートとシルクのブラウスをつけたキレーネは、話が奴隷たちのことに及ぶと唇にかすかな笑いを浮かべた。彼女は近頃昇進して侍従長の地位を得ていたが、奴隷調教の総責任者であることは今までどおりであった。
「ええ、上々でございますとも。お通じはいたって健康的ですし、オリモノにも異常はなく、性器もアヌスもしっとりしてよい状態を保っておりました。検査のあと例によってお作法の躾をしてやりましたが、二匹とも鞭をほんの数発打たれただけでおつゆをこぼす始末でございました。特にアンジェラは本日の公開調教を控えているだけにいつも以上にビクビクしておりましたが、かえってそのことを意識してマゾの興奮をかき立てられている様子でございます」
「そういえば、今日は公開調教が行なわれるのでしたな。領民たちもさぞかし愉しみにしておることでしょう。何せ、閣下御自慢の愛奴を間近で見ることができるのですから。先ほどバルコニーから覗いてみたところ、まだ昼前だというのに、湖の周囲には押すな押すなの人だかりがしておりました」
 キレーネにつづいて、官房長のガンツがファルケンに向かって追従混じりに言上した。臙脂色のフロックコートを着た小太りの男は書類をもらうためにデスクの前に立っていたが、五十に近い年齢で頭頂部の丸く禿げた風貌は、中世の僧侶を想わせる雰囲気を匂わせていた。
「フフフ、領民たちと悦びを分かちあうのが領主たるものの務めだ。城内にいればわしの奴隷を見ることもできようが、一般の領民はそういうわけになぬからな。それで、たまには調教を公開して彼らの目を愉しませてやるというわけだ……そうか、アンジェラのやつめ、ショーを待ちわびて興奮しているんだな」
「お披露目のことがありますので軽めにしてやりましたが、それでもロザリーに負けないくらいのおつゆを垂れこぼしておりました。まったく、あの牝どもときたら、お仕置きをされればされるほど濡れてくるのですから、あきれたものですわ」
 キレーネがそう報告すると、ガンツもしたり顔に口を挟んだ。
「ヒヒヒ、ロメ人はマゾの感性が他国民より抜きんでておりますからな。しかも、美人が多いときているから、奴隷にするのにうってつけの民族だ」
「もっとも、マゾの性(さが)と服従心とは別物のようで、二匹ともまだ完全には服従しきっていない面が見受けられます」
「フフフ、だからこそ責め甲斐があるんじゃないか、キレーヌ」
 ファルケンはニヤリと笑って女侍従長に言葉を返した。
「あの奴隷たちがわしに心から服従できないのは当然だ。なんといってもわしはロメ王国征服の立役者であるし、またアンジェラの夫にしてロザリーの兄であるヘンドリッジを殺した仇だからな。どちらもわしを殺したいほど憎んでいることだろう」
 城主の言葉は自信と確信に満ちていた。彼はまたつづけた。
「だが、いくらわしを憎んでも、この城で奴隷として飼われる以上反抗や不服従はいっさい許されぬ。それで、口惜しさを心の底に押し隠しながら、奴隷の奉仕をするというわけだ。その内面の葛藤を覗き込み、またときには不服従の本心を暴いてやるのがえもいわれぬ快楽を生み出すのだ」
「つまり、奴隷たちの面従腹背(めんじゅうふくはい)をお咎めになって厳しくお仕置きをしてやるということでございますな」
 ガンツがすかさず相づちを打った。
「いや、そうではない。面従腹背とは表面では服従するように見せかけているが内心は反抗しているということだ。だから『面従』よりも『腹背』に力点が置かれているだろう。だが、あの牝たちは腹の中に恨みを抱いているものの、仕置きへの恐怖や故国に残してきた家族の無事のために奴隷の服従をせざるを得ない。それならむしろ『腹背面従』だ」
 ファルケンは官房長の言葉を訂正した。
「それに、あの二匹が偽っているのは、実はわしに対してではない。自分の心に対してなのだ」
「とおっしゃいますと?」
 キレーネが興味深そうに訊ねた。すると、ファルケンは書類から目を離して二人に向き直り、奴隷たちの心理を以下のように分析してみせた。
「あの牝どもの心にはさまざまな葛藤があるだろう。性器もアヌスもさらけ出した牝の姿でわしの前に引き出され、つらい仕置きを受けたり屈辱的な奴隷奉仕をさせられたりするのだからな。ロメの名門貴族の出でありながら、鞭に悲鳴を上げて許し乞いをしたり、バヌー人のペニスに口づけをしたりするみじめさと口惜しさは並大抵のものではないだろう。そんなつらい境遇の中で生きていくためには、わしに気に入られるよりほかに道はない。そこで、自分の本当の気持ちに蓋をして懸命に奴隷になりきろうとする。つまり、わしへの服従心を本物であると思い込もうとするのだ……フフフ、何ともいじらしいじゃないか」
「さすが、元帥閣下! 奴隷の心をよくご存じでいらっしゃいますわ」
「閣下の慧眼にはいつもながら感服つかまつります」
「まあ、待て、あやつらの心にはもう一つの葛藤があるのだ。それを話してやるからよく聞いておけ」
 ファルケンは二人の追従を軽く受け流して話をつづけた。
「それはほかでもない、ロメ人に流れるマゾの血だ。あの姉妹はわしの奴隷になってその血を開花させてしまった。つらい仕置きや屈辱的な調教を受けているというのに、卑しく興奮して股のあいだを濡らしてしまう。あやつらはそれが恥ずかしくてたまらないのだが、マゾの悦びにはいかんともしがたいものがある。そして、心のうちでは調教への怯えがあるにもかかわらず、それを期待する気持ちが少しずつ養われていく。だが、あやつらはなんとしても悦びを認めたくないのだ。それを認めれば、王国や家族のために犠牲になったという悲劇の主人公でいられなくなるし、何より自分のあさましさを自覚せざるを得ぬからな」
「ですが閣下、あの牝どもはお仕置きや御奉仕の最中に閣下に問われ、何度もマゾの快楽を白状しているじゃございませんか」
 キレーネは不審そうな面持ちで口を挟んだ。彼女の言うとおり、アンジェラとロザリーは奴隷生活の初日から鞭や電流の責めにあって股間から淫蜜をしたたらせ、ファルケンやキレーネに向かってマゾの性(さが)を告白していたのである。
「フフフ、気づかぬのか、キレーネ? わしがあやつらに情けをかけてやっているのが」
「はて、お情けとは? ……」
「わしに向かってマゾの悦びを白状するのは、責めを受けたという免罪符があるからなのだ。つらい仕置きに屈してやむなく偽りの告白をしているんだと自分に言い聞かせれば、少しは救われた気分になるだろう」
「では、閣下は奴隷たちの嘘をお許しになっているので?」
「ところが、あやつらはちゃんと本音を吐いているんだよ。仕置きに屈服したと言い訳してな。そこが免罪符の免罪符たるゆえんだ……フフフ、もっとも、それを得るためには少々痛い目をみなくてはならぬが」
 ファルケンは愉快そうに笑った。
「こうやって服従心とマゾの悦びを鞭で教え込み、少しずつわし好みの奴隷に仕込んでいってやるのだ。かつてアジアにカタイというとてつもなく大きな国があったが、その国が分裂していた遙か大昔、艾(がい)という小国が大国の晋(しん)に滅ぼされて、そこの麗姫(りき)という娘が晋の国王のもとに連れてこられた。麗姫は連れてこられた当初はさめざめと泣き濡れたものだが、豪華な寝台で国王と枕を交わし、見たこともないごちそうを食べるようになってからは、最初に泣いたことを後悔したということだ。わしも、あやつらがこの城でずっと奴隷の身分でいたいと希(ねが)うように奴隷の悦びをたっぷり教え込んでやる」
「なるほど。奴隷たちの心の奥底を見透かしながら調教を進めていくということでございますな。私も自分の奴隷を責めるときには、閣下のお話を参考にさせていただきます」
「ロメ人の奴隷はランクにかかわらずマゾの感性が豊かだからな。アンジェラとロザリー以外にも躾甲斐のある奴隷はたくさんおるだろう」
「最近この城にも続々と送り込まれてきましたわ。何でも、ロメの奴隷狩りは首都から全国に拡大されたとか……」
「フフフ、わしが指示を出しておるのだ。収容センターのアンジェイク大佐はさぞかし忙しいことだろうて」
「私の従姉妹のミランダも大佐の下で張り切っておりますわ……そうそう、あれに新参のロメ奴隷を二匹控えさせておりますので、ご覧になってやってくださいませ。昨日到着した十数名のうちから、特に容姿の優れた者を二名選び出してまいりました。庶民の娘なのでランクはBですが、もし貴族ならAAを与えてもおかしくないほどの上級品でございます」
「ほう、そうか……」
 ファルケンはキレーネの言葉に興をそそられ、彼女の示す方に視線を向けた。
 デスクの左手遙か奥の壁際には主人の用命を待つ小間使いが半裸のメイドコスチュームをつけて七、八名並んでいたが、さらにその隣には調教師のセレン中尉に首輪のリードを執られた二名の奴隷が待機させられていた。奴隷たちはハイヒールをつけただけの全裸姿で大理石の床に正座していた。二名とも白く滑らかな肌や整った顔立ちなどの持ち主で、ロメ人特有の肉体的魅力を体現した上等の奴隷であることは遠目にも看て取ることができた。